ヴァイオリン製作 あれ・これ

弦楽専門誌『ストリング』に「知っているようで知らない名器の逸話」を連載していたヴァイオリン製作家、木村哲也がヴァイオリンについていろいろお話しします。ホームページは www.atelierkimura.com

2012-01-01から1年間の記事一覧

ニスの話 Part 3.  〜バルサムを使ったニスの作り方

前回の「ニスの話」では、マルチャーナ・ニスの作り方を説明しました。マルチャーナ・ニスはオイルニスの基本といえるもので、調合する樹脂の割合や種類、又は調理の仕方を変えることによって様々な特性を持ったニスを作ることが出来ます。今回は、バルサム*…

ニスの話 Part 2.  〜マルチャーナ・ニスの作り方

私の工房では、修理やアンティーク仕上げの過程でリタッチ*1する際にはアルコールニスを用いますが、製作では基本的にオイルニスを使用します。 「ニスのレシピ、特にオイルニスの作り方は他人には絶対教えない」 という方もみえるようですが、私は教えてほ…

ワークベンチ、又の名を作業台

私が最も頻繁に使用する道具は何だと思いますか? ワークベンチ、作業台です。 台も道具の一つ。特にヴァイオリンを作るとなると必要不可欠な道具といえます。 作業の基盤となる台の表面には、様々な傷やニスの染みがついており、年季の入った顔をしています…

コピー製作 Part 1. 〜輪郭を写す

「コピー」または「レプリカ」と一概に言っても、いろいろ種類があり、その製作方法も様々です。ここでは、オリジナルとなるヴァイオリンから輪郭をテンプレート*1にする手順を紹介します。 これは、あくまでも「こんなふうにやるんだよ」という紹介にすぎま…

アトリエキムラ『ワークショップ・モデル』

ワークショップ・モデル、2013年春からアトリエ・キムラにて製作、販売を開始することに決定しました。 ワークショップ・モデルはいわゆる工房作の楽器となります。 オーダーメイドの楽器は、材料の選択から仕上げ、そして綿密な調整まで全工程を職人、木村…

24時間でヴァイオリンを作る『バイオリンレース』開催

国内で活躍する4人のバイオリン製作家が、11月5日(月)から7日(水)にかけて、を製作するイベント『バイオリンレース』を開催します。1日あたり8時間、3日間で合計24時間をかけてガーダニーニ(G.B.Guadagnini) のコピーを白木で演奏可能の状態に仕上げます…

Giussepe Guarneri filius Andrea のコピー : スクロールと下地のお話し

現在、ジュゼッペ・グァルネリ・フィリウス・アンドレアのコピーであるチェロを仕上げています。 今回は下地処理を施したスクロールをお見せします。着色したニスを塗り始める直前の状態です。

『知っているようで知らない名器の逸話』

弦楽専門誌『ストリング』でコラムの連載を始めてから、早くも二年経ちました。 これを機会に過去の連載で取り上げたヴァイオリン製作者/楽器の一覧をここに載せておくことにしました。興味を惹く記事が見つかりましたら、ぜひ、バックナンバーを取り寄せて…